楽天のレビュー件数が多い=おいしい、ではない|何度もお取り寄せして分かった件数の読み方


お取り寄せグルメを買うとき、私はいつもレビュー件数を見ていました。



数千件のレビューがついていて、評価が4.5以上。これだけ多くの人が買って、これだけ高く評価しているのだから、まず外さないだろう。そういう判断で、マグロも、餃子も、焼酎も、ジンギスカンも買ってきました。



味は、どれも満足しています。件数の多い商品を選ぶ戦略は、「まずいものを掴まない」という意味では機能していました。



それでも、いくつかは失敗でした。



まずかったからではありません。自分の生活に合わなかったからです。そしてその失敗は、レビュー件数を何度見ても防げなかった種類のものでした。



この記事では、実際に何度もお取り寄せをして気づいた「レビュー件数という指標の限界」と、代わりに何を見るようになったかをまとめます。



そもそも、なぜ件数を見てしまうのか



先に断っておくと、レビュー件数を見ること自体は間違っていません。



レビューがゼロ件の商品と、数千件ついている商品なら、後者のほうが情報量が多い。少なくとも「注文したのに届かなかった」「明らかに傷んでいた」といった致命的な問題は、件数が多ければ誰かが書いています。下限を保証する指標としては、確かに役に立ちます。



問題は、私がそれを上限の保証だと勘違いしていたことでした。件数が多い=多くの人が満足している=自分も満足する、という三段論法が成立していない。



レビュー件数が多くても失敗する5つの理由



① レビューの多くは「味」ではなく「届いた体験」の話



高評価レビューを実際に読み込んでみると、内容が偏っていることに気づきます。



「注文の翌々日に届きました」「梱包が丁寧でした」「対応が早くて助かりました」——私が読んだ範囲では、こうした発送や対応についての評価が目立ちました。何割を占めるかまで数えたわけではありませんが、味の話を探して読んでいると、なかなか出てこないという感覚があります。



これらは重要な情報ですが、味の情報ではありません。にもかかわらず、星5がつく。結果として、発送が優秀な店の商品は、味の評価とは別の理由で平均点が押し上げられます。



私が取り寄せたマグロも、確かに梱包は丁寧で、冷凍便の状態も完璧でした。その点は高く評価します。ただ、それは「おいしいかどうか」とは別の話です。



② 高評価は「その人の生活条件での評価」でしかない



これが、私が一番痛い目を見たポイントです。



まぐろ処一条の中トロを1kg取り寄せたときのこと。味には満足したのですが、2人暮らしの我が家では、1kgは多すぎました。冷凍庫の1段を2週間占領し続け、他の食材を買うたびにテトリスをやることになる。おいしいのに、後半は少し義務感が混ざっていました。このときの経緯はまぐろ処一条の記事に詳しく書いています。



松尾ジンギスカンのギフトセットも同じです。350g×6袋の合計2.1kg。これも冷凍庫が埋まりました。



レビューで「量がたっぷりで大満足」と書いている人は、おそらく家族が多いか、大きな冷凍庫を持っているか、集まりの予定があったのでしょう。その人にとっては本当に大満足だったはずです。嘘は書かれていません。



ただ、その評価は「4人家族で、大型冷凍庫があり、週末に集まる予定がある」という条件つきの評価です。条件の部分はレビューに書かれないので、読む側からは見えません。



高評価レビューの星5は、書いた人の生活に合っていたという意味であって、自分の生活に合うという意味ではない。当たり前のことですが、件数の多さを見ているときは、この当たり前が頭から消えていました。



③ 件数は「累計」なので、古いレビューが混ざっている



数千件という数字は、その商品ページが開設されてからの累計です。



つまり、3年前の仕様に対するレビューと、先月の仕様に対するレビューが、同じ数字に合算されていることになります。



食品は仕様が変わります。原材料の産地が変わる、内容量が調整される、タレの配合が見直される。パッケージが変わっただけでも、実際の中身が同じとは限りません。



ところが件数と平均評価は、そうした変化を平らにならしてしまいます。「4.6(3,200件)」という表示からは、そのうち何件が直近1年のものかが分かりません。



④ 何のために書かれたレビューかは分からない



「レビューを書くと送料無料」「レビュー投稿でおまけ1袋」といった仕組みは、楽天では珍しくありません。



これは店側の正当な販促手法で、買う側にとっても得な話です。実際、私も特典があるからレビューを書いたことがあります。



ただ、レビューを読む側からすると、その1件がどういう動機で書かれたのかは分かりません。じっくり味わって書かれたものも、特典のために手早く書かれたものも、同じ1件として件数に加算されます。少なくとも自分がそうやって書いたレビューは、後から読み返しても内容が薄いものでした。



件数の内訳が見えない以上、数字の何割がどちらなのかも分かりません。ここは「分からない」ということ自体を織り込んで読むしかない部分だと思っています。



⑤ 書き手の記憶が、そもそも正確とは限らない



これは、自分の失敗から気づいたことです。



松尾ジンギスカンの3種類食べ比べセットについて、私は最初「マトンが一番おいしかった」と記憶していました。ところが後から確認すると、間違いでした。実際に一番おいしかったのは特上ラムです。



食べたのは自分です。それでも、時間が経つと味の記憶は入れ替わる。マトンとラムという、明確に違うはずのものですら取り違えました。



この経験以降、他人のレビューの読み方が変わりました。「半年前に食べたものについて書かれたレビュー」は、書き手が誠実であっても、記憶の精度という点で怪しい。悪意も嘘もなく、ただ記憶が曖昧なだけのレビューが、あの件数の中に一定数含まれているはずです。



自分がやってしまった以上、他人だけを疑うわけにはいきません。



件数の代わりに、いま見ている5つのこと



では何を見ればいいのか。私が実際に確認するようになった項目を挙げます。



低評価レビューの中身を読む



星1と星2を、件数ではなく中身で読みます。



低評価には2種類あります。ひとつは「配送が遅れた」「対応が悪かった」といった、商品そのものとは別の不満。もうひとつは「思ったより脂が少なかった」「筋が多かった」といった、商品の中身に関する指摘です。



前者は無視して構いません。後者が複数の人から同じ内容で出ていたら、そこは注意して読む価値があります。一人の感想なら好みの問題かもしれませんが、同じ指摘が繰り返されているなら、商品の傾向として実在する可能性が高くなります。



実際、私が取り寄せたマグロにも、4〜5パックのうち1つだけ筋の強いサクが混ざっていました。訳あり商品なので想定内ではありましたが、これは低評価レビューを読んでいれば事前に分かったことです。







内容量と、自宅の冷凍庫を突き合わせる



味の前に、これです。



内容量をグラム単位で確認して、1回の食事で何グラム消費するか、何回で食べ切れるか、それを冷凍庫のどこに置くかまで想像してから買う。私はこれを2回怠って、2回とも同じ後悔をしました。



お取り寄せグルメは「おいしいかどうか」より先に「置き場所があるか」で決まる。実感を込めて書いています。



原材料表記を最後まで読む



商品ページの下のほうにある原材料表示は、レビュー何百件より正確な情報源です。



添加物の有無、原料の産地、アレルギー表示。松尾ジンギスカンのタレにりんごと玉ねぎが入っていることを知ったのも、まぐろの商品に酸化防止剤とpH調整剤が使われていることを知ったのも、原材料表記からでした。



しかもこれは、調理方法にも直結します。タレに砂糖とりんごが入っていると分かっていれば、強火で焼けば焦げることが予測できる。実際、味付ジンギスカンをフライパンで焼くときは、この知識がそのまま役に立ちました。詳しくは松尾ジンギスカンをフライパンで焼いた記事に書いています。



直近のレビュー日付を見る



累計件数ではなく、新着順に並べ替えて、直近3ヶ月に何件書かれているかを見ます。



数千件あっても直近が数件なら、その商品は今は動いていないか、ページが古いままかもしれません。逆に件数が少なくても直近に集中しているなら、新しく出た良い商品の可能性があります。



商品ページに調理方法が書いてあるか



これは意外な指標ですが、効きます。



解凍方法、加熱時間、おすすめの食べ方。こうした情報が丁寧に書かれている店は、買った後のことまで考えているということです。



逆に、商品写真とキャッチコピーだけで調理の説明がほとんどないページは、届いてから自分で調べることになります。冷凍食材は解凍方法を間違えるだけで味が落ちるので、ここは軽視できません。解凍については冷凍魚の解凍方法の記事にもまとめています。



では、自分のレビューはどうなのか



ここまで書いてきて、当然のことに気づきます。このブログ自体がレビューサイトです。



他人のレビューは記憶が曖昧かもしれないと書いておいて、自分の記事だけは正確だと主張するのは通りません。実際、私はマトンと特上ラムを取り違えました。この記事を読んだ方が「じゃあこのブログのレビューも同じでは」と思うのは、まったく正しい反応です。



なので、いま自分がやっていることを書いておきます。



写真を撮る。 届いた状態、調理中、盛り付け後。記憶は入れ替わりますが、写真は入れ替わりません。焼いている最中の写真が1枚あるだけで、火加減や仕上がりを後から確認できます。



原材料表記を記事に残す。 味の感想は主観ですが、原材料は事実です。何が入っているかを書いておけば、読者は自分で判断できます。



書けないことは書かない。 記憶が曖昧な部分は、無理に埋めずに省きます。3種類の味を全部書き分けようとして曖昧な記述を並べるより、確実に覚えていることだけを書くほうがいい。実際、この方針で削った記述がいくつかあります。



条件を書く。 2人暮らしであること、冷凍庫の大きさ、鍋を持っていないこと。この記事で書いたとおり、評価は条件つきでしか成立しません。だから条件のほうを先に書くようにしています。



それでも、私の記事も私の生活条件での評価でしかありません。参考にはしていただきたいですが、判断はご自身の条件でしてください。 この記事で書いたことは、そのまま自分の記事にも当てはまります。



それでもレビュー件数が役に立つ場面



ここまで否定的に書いてきましたが、件数が有効な使い方もあります。



店の信頼性を測るときです。商品単体ではなく、ショップ全体のレビュー件数と評価は、「注文が正常に処理されるか」「梱包がまともか」「連絡が取れるか」の目安になります。ここは件数が多いほど確度が上がる領域です。



比較の入り口として使うときも有効です。候補を10商品から3商品に絞る段階なら、件数でふるいにかけるのは効率的。ただし、最後の1つを決める段階では、件数以外の情報に切り替える必要があります。



要するに、件数は「候補に入れるかどうか」の指標であって、「買うかどうか」の指標ではない、という使い分けです。



まとめ



レビュー件数が多い商品は、確かに大きな失敗をしにくい。その意味で、私の選び方が完全に間違っていたわけではありませんでした。



ただ、件数が保証してくれるのは「多くの人がそれなりに満足した」ことまでです。その満足が、自分の生活条件でも再現されるかどうかは、まったく別の問題でした。



私が2回続けて量で失敗したのは、味を疑わなかったからではなく、自分の冷凍庫を確認しなかったからです。そしてそれは、レビューを何件読んでも書いていないことでした。



いま買う前に確認しているのは、低評価レビューの中身、内容量と冷凍庫の空き、原材料表記、直近レビューの日付、調理方法の記載。この5つです。件数は最初のふるい分けにだけ使い、最終判断には使わなくなりました。



そしてもうひとつ。レビューを書く側の記憶も、思っているほど正確ではありません。自分が食べたものの味を取り違えた経験がある以上、他人のレビューにも同じことが起きていると考えるのが自然です。



レビューは参考にする。ただし、判断は自分の条件でする。何度か失敗して、ようやくそこに落ち着きました。

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